昨年、流通総額1兆円を突破し、大手流通業に比肩する規模になった楽天。円高を背景に次々と海外拠点を作り、その数は今や10の国・地域に及ぶ。危機に直面しても変われない日本の産業界を断ち切って、楽天は日本発の新たな世界企業になろうとしている。世界企業を目指す楽天に今、何が起きているのか。三木谷浩史会長兼社長をはじめ、楽天の各国の経営を担う幹部たちに語ってもらった。
今回は楽天が昨年11月に買収したコボ(カナダ・トロント)のマイケル・サビニスCEO(最高経営責任者)が登場。「コボの買収はホームラン」と楽天の三木谷浩史・会長兼社長が自画自賛するコボとはどのような企業なのか。その戦略を聞いた。
(日経ビジネス2月20日号「楽天の焦燥 三木谷浩史が海外展開を急ぐ理由」も併せてお読みください)
コボは設立してまだ24カ月の若い会社です。電子書籍コンテンツの配信から始めたので、最初は電子書籍端末はなかったし、その作り方も知らなかった。でも設立から2年経った今では、既に8カ国で電子書籍端末を販売しています。
我々のコンセプトは「オープンプラットフォーム」。パソコンはもちろん、iPhoneやアンドロイドなど様々な端末で見られるのが特徴です。従って専用端末を発売していない国でもコンテンツは見られる。例えば、東南アジアでは端末は一切売ってませんが、インドネシア、シンガポール、マレーシアなどに既に読者がいる。どうやって彼らが我々を見つけてくれたのかはわかりませんが(笑)。
楽天と交渉を始めたのは昨年(2011年)の夏から。楽天側からアプローチがありました。最初はパートナーシップの話で、買収ではありませんでしたが。楽天側は、当社のグローバルプラットフォームに興味を持っていたようです。
買収に切り替えた理由は、パートナーにとどまるよりも1つの会社になったほうがよりよいソリューションになる、と互いに気づいたからです。我々の進出国には、楽天が進出していない国も多くありますし、逆もまたしかり。楽天や三木谷さんと一緒に仕事をしていけば、よりスピーディに海外戦略を達成できる、市場で勝利を獲得できるという確信があった。なので、この話に踏み切りました。
「三木谷さんの第1印象は『エネルギッシュな人』」
三木谷さんの第1印象は「エネルギッシュな人」。日本から来たばかり、起きたばかりの状態でお会いしたにも関わらず、本当にエネルギーを感じた。一番思ったのは、小さな会社から大きな会社に成長させたにも関わらず、いまだに起業家としての気質を持ち続けている。ここが大きな魅力ですね。
楽天の哲学は、地域の店舗と「ウインウイン」のビジネスモデルを築くというもの。この点が我々の哲学に合致していたのも大きなポイントでした。
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