東日本大震災後、「所得の低い人たちほど、幸福感や生活満足度が高くなった!」――。
そんな一見すると矛盾しているように思える調査結果が明らかになった。
慶応義塾大学が全国の約4000世帯を対象に「震災で日本人の心理や行動はどう変わったか?」を調べたところ、「低所得者の方たちほど、幸福感と生活満足度が増し、高所得者ほどその伸びが少ない」ことが示されたのである(出所はこちら)
さらに、この調査では震災で最も大きな被害を受けた東北地方の方々の幸福感についても、「そっか……」と少々驚く結果も明らかになっている。
「震災前と震災後、幸福感に変化があったか?」との問いについて、全国平均では「高くなった」との回答が28%であったのに対し、東北3県(岩手、宮城、福島)では35%と、全国平均を10ポイント近く上回ったのである(ただし、この質問項目では、「低くなった」と回答した人は、全国平均で7%、東北3県では20%と、幸福感が低下した人の割合も高かった)。
東日本大震災が起きてから、まもなく1年。「震災は日本人の価値観に、大きな変化をもたらした」「絆の大切さが見直された」などと、さんざん繰り返し言われてきたけれど、ホントに私たちは変わったのだろうか?
震災で日本人はホントに変わったのか?
確かにあんなに大変なことがあったのに、「幸せ」と答える人が3割近くも増えたのだから、変わったと言えるのかもしれない。あまり変わることがないとされている、幸福感に大きな変化があったのだ。変わった。うん、確かに変わったのだろう。
でも、なぜ、所得の低い人たちや、いまだに大変な思いをなさっている東北3県の方々の方が「幸せ」という回答が多いのか?
私たちはいつの時代も、
「どうしたら幸せになれるのか?」
「どれだけおカネを稼いだら、幸せになれるのか?」
「どういう働き方をしたら、幸せになれるのか?」
といった問いを、まるで禅問答のように繰り返してきた。
最近では、政府まで「幸福度」調査項目の作成に乗り出している。
幸せって、何だっけ? 幸せって何なんだろう? 私たちは東日本大震災で、人との絆を、ホントに大切にするようになったのだろうか?
最近のさまざまな出来事を見ていると、絆とか他人を思いやる気持ちが高まった、とは必ずしも言い切れない現実があるような気がして、仕方がない。
そこで今回は、至極ストレートに、「幸福感」について考えてみようと思う。
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