YahooのFlickr部門の動きはなかなか読みきれない。Flickrと言えば、一度はプロフェッショナルもアマチュアも利用する、2位以下に大きく差をつける人気写真共有サービスとして名を馳せていたものだ。それが、追随サービスが種々動きを見せる中、自らはほとんど動かないという時代が続いていた。多くの利用者(私自身も含む)がFlickrを使い続けたのは惰性によるものという時期が続いているように思う。使い続けつつ500pxやInstagramなどの新興サービスが実装する魅力的なレイアウトや機能を羨ましく思っていたものだ。写真サイトというわけではないGoogle+やPinterestに実装される機能を見ても、Flickr利用者は自分たちを遅れている存在だと感じるようになってしまった。
しかし。何年も前から言われているFlickrの大幅改善がついに目の前に迫りつつあるようだ。28日に、全く新しいレイアウトとアップロード機能を実装するのだそうだ。強く意識したのは「コミュニティ」と「閲覧」だとのことだ。
このニュースの情報元はFlickrのプロダクトマネージャーであるMarkus Spieringその人だ。BetaBeatのインタビュー記事に掲載されていた。曰く、ここ数年はコミュニケーションがうまくとれていなかった面もあるとのこと。サイトでは「Yahoo」のプレゼンスを大事に扱うという方針があったようだ。しかしサイトは変化の激しい業界にありながらほとんど変わらない姿を晒し続け、Yahoo自らがFlickrの可能性を他社にくれてやるというようなことになってしまった。
いずれにせよ、ともかく大変化がやってくる。ホワイトスペースを減らしたダイナミックレイアウトで、ブラウジングははるかにやりやすくなる。これまでのレイアウトはタッチインタフェースにとっても使いにくいものだったので、この変更を好意的に受け取る利用者は多いことだろう。
アップロードページも新しくなるようだ。これもまた長らく利用者からは求められていた機能改善だ。プログレスバーに表示されるチェックマークが見られなくなるのは少し寂しい気がしないでもない。しかしドラッグ&ドロップインタフェースは使いやすく、アップロード後も種々操作をしやすくなっている新インタフェースは、確かにワークフローを大きく改善するものであると言えよう。
こうしてみてきたように、今回の変更はUI部分に大きな改善をもたらすものだ。しかしFlickrに2012年中に実装される改善がこれだけだと言うのであれば、Flickrは今後も他サービスの「食い物」となってしまうことだろう。タブレットを含むモバイル環境での利用率もあげていく必要があろう。さらにサイト全体として、どのサービスが主な競合対象であるのかを見極める必要もあろう。新たに登場してくるサービスの良い所に目移りしているようでは確たるサービスを育てることは難しい。Spieringは将来について楽観的見通しを持ってはいるようだ。しかしこれが「Flickr以外にも仕事はある」などというところから出ている楽観論でないことを望む。
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(翻訳:Maeda, H)